ブラウザ上で動く?NFCについて解説!

Googleは、2020年2月13日にChrome 81 ベータ版にWeb NFCの技術を試験的に組み込んだという発表を行いました。
これにより、アプリをダウンロードしないとできなかった挙動が、これからはWebサイト上で実現出来るようになるかも知れません。この記事ではNFCとは何か、活用することで何ができるのかをまとめました。

そもそもNFCとは?

NFCとは「近距離無線通信規格」の1つで、正式名称を「Near Field Communication」といいます。「近距離無線通信規格」と聞くとなんだか難しそうですが、要は「かざすだけで周辺機器と通信ができる技術」のことです。

0〜10㎝程度の距離で、様々な機器同士で無線通信を行うことができ、日本では電車の改札やおサイフケータイ、電子マネーなどにNFCの技術が利用されています。
さらに、今年に入ってコンビニやカフェ、スーパーなどでNFC決済ができる店舗が増えてきています。
https://kakakumag.com/money/?id=15162

現在、スマホやタブレットの多くが標準的にNFCに対応する時代を迎え、今後爆発的な普及が見込まれています。
QRコードと機能が似ていますが、QRコードではカメラの起動やピント調整などに時間がかかり、ある程度の明るさも必要になります。それに比べ、NFCではアクセス精度や時間を短縮できるということが魅力のひとつです。

NFCで何ができるのか?

主な機能は3つです。
情報を読み書きするReader/Writer機能
デバイス間でデータをやり取りするP2P機能
カード機能を持たせられるカード・エミュレーション機能
主な機能はこの3つですが、スマホごとに対応している機能としていない機能もあります。

Reader/Writer機能
NFCタグに対応機器をかざすだけで情報の読み書きを行う機能です。
スマホなら社員証を読み取る、Suicaなど交通系ICカードの残高確認などが行えます。
その他のデバイスではタッチするだけでWi-fi環境に接続する、ワイヤレスヘッドホンとBluetooth接続をするなど、使用用途は多岐に渡ります。

P2P(peer-to-peer)機能
サーバーを利用せず、デバイス同士が直接繋がることで処理を行う機能です。
カメラからパソコン、テレビからスマホなど、Wi-fiやBluetoothがなくても通信を行うことができます。
スマホ同士のデータ交換も可能で、昔のガラケーの赤外線通信のようなイメージです。

カード・エミュレーション機能
おサイフケータイのように、非接触決済を実現するための機能です。
アプリをカードとして利用できるようになります。
QRコード決済のようにアプリを事前に起動させておく必要もなく、スマホをタッチするだけで決済が可能です。

FeliCaとの違いは?

NFCを用いた非接触型ICカード技術で、NFCのなかの規格のひとつがFelicaです。
NFCは通信方式そのもののことをいい、FeliCaはNFCをベースにSonyが開発したICカード技術です。
NFCにはNFC Type A、NFC Type B、NFC Type Fなど複数の規格があり、FelicaはNFC Type Fに該当します。
NFC Type A、NFC Type Bに比べ、NFC Type Fは処理スピードが2倍近く早く、日本では交通系ICカードに採用され、広く普及していきました。
また、社員証や交通ICカード、電子マネーなどの複数のデータを1枚のカードで持つことができます。

NFCで実現できること

実際にNFCが活用された事例をいくつかご紹介します。

台湾の地下鉄で非接触決済を導入
https://jp.techcrunch.com/2019/12/30/tymetro-contactless/
専用の電子系ICカードではなく、非接触のクレジットカードで直接改札を通過し運賃を支払う機能です。
ロンドンで始まり、現在では世界各地で導入されています。
交通系ICカードや専用アプリが不要になり、クレジットカード一枚あれば電車に乗れるので、海外から来た観光客にはとても便利なサービスです。

クレジットカードのタッチ支払い
電子マネーではなく、クレジットカードもカードリーダーに通すことなくタッチで支払いが出来るようになります。
2020年6月より全国のセブンイレブンで利用開始
https://japan.cnet.com/article/35149569/?ref=newspicks
2020年2月よりドトールコーヒー系列店で利用開始
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2002/21/news080.html

Reader/Writer機能を用いた究極のショートカット
https://reliphone.jp/nfc-automation/
NFCタグにあらかじめ機能を登録(照明・エアコン・テレビの電源をオンにする、スマホをWi-Fiに繋ぐなど)しておきます。
そして帰宅してタグにスマホをかざすだけで登録した機能が発動します。
これを利用すればあらゆる機能をスマホをかざすだけで行うことができるようになります。
スマートホームと併せて利用することで、より便利に使えそうです。

デバイス間でバッテリーを分け合うことも可能に(Sonyの特許)
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1050195.html?ref=gunosy
デバイス間で相互通信しながら、供給する電力を制限する機能です。
双方向に通信することで、電波強度や指向性を細やかに制御した送受信が可能になり、1つのコンセントから家中のIoT機器全てに電力を供給することができるようになります。
こちらも実現すれば、スマートホームの普及に繋がるでしょう。

結論

NFCという技術について、何ができるのか、実際の活用例などを紹介してきました。
今はまだ、Chromeのベータ版にテスト的に実装されたという段階ですが、これから先様々なブラウザ上でNFCが活用できるようになれば、実際にWebサービス上でNFCが活用されるようになる可能性があります。

PWAのような技術と組み合わせてWebサイトを更にアプリ的に扱えるようにしたり、デジタルサイネージ端末など連携させて、リアルとネットでの情報の連携をスムーズに行えるようにしたりする、というような活用方法で一つのITインフラとして定着する可能性は大いにあると言えるでしょう。